【スタッフ日記】ブルース・リー

皆様こんにちは、安ちゃんです。

今日は社会問題の考察です。

『人種差別』

既に響きが重いテーマです。。。
でもここはスタッフ日記、もう少しライトなワタクシの経験話です。

先日、日本在住のアメリカ人と話していた際、

「『外人』という呼び方に差別を感じる。」と言われてちょっと驚きました。

ワタクシは、日本人が一般的にガイジンという時には、日本人との区別でいう場合が多く、そこに見下す様な差別的な意識はないと思う。。と伝えました。
しかし彼としては、どれだけ日本語を話し、日本文化に馴染み、日本社会の一員と感じていても、常に「あの外人」という扱いで、とても排他的に感じる。というものでした。

なるほど… 本人からしてみるとその様に感じるのも何となく理解が出来ました。 これは難しい問題で、言っている方に悪気が無くても、差別意識を感じる人が居るならば配慮の必要がある。というのは当然です。

そんなことを考えていた時に、ふと思い出しました。

以前も書いたことがありますが、ワタクシ若かりし青春時代をアメリカとスペインという国で過ごしました。

アメリカには白人も黒人もヒスパニックも居て、アジア系も混じるので、構図は意外と明確。人種の違いから区別意識、差別意識、排他意識があるのは勿論分かりますが、社会全般の「人種差別」に対する意識もつよく、表向きにあからさまな差別が自分の身に降り掛かるという経験はしていません。

もしかすると、ワタクシ自身が社会人でなく学生だったこともあり、日本人・世界最優秀民族説を信じていた(いる)ので、世間の動きを把握しきれていなかったのかもしれません。

一方で、スペインは少し様子が違いました。 スペイン人内に細かい人種の違いはあり、人種差別の対象は国内にはあれど、ある意味大枠で同じ人種がほとんど。そういう意味では日本に近かったと思います。

現代とは違い、まだスペインの街中でアジア系を見かける事がなかった時代、子供たちは町で唯一のアジア系のワタクシを見ると、「ママ、ママ、見て!見て!中国人だよ!」と指を差されるのは日常茶飯事でした。

そういえば、田舎育ちのワタクシの子供時代、ある日、小学校の近所に引っ越して来たアメリカ人に感動した友達は、そのアメリカ人にサインを貰って自慢していました。
その感覚を知っているワタクシには、中国人を珍しがる子供の驚きは微笑ましいものでした。 街を歩くと、街じゅう全員と目が合う、つまりみんなが物珍しそうにワタクシを見ている状況を経験するのは少し異様ではありますが、差別とは感じず、有名人の生活ってこんな感じだろうな!とか思ってました。昨今はパキスタン人が急激に増え、差別の対象になっているという話は聞きました。

また別のエピソードを思い出しました。
スペインのオフィスで働いていた時、マノロという同僚が常にワタクシを【ブルース・リー】と呼んでいました。当時、まだ痩せて筋肉もあったワタクシは、なるほど、ブルース・リーか。。。と、ただ気をよくしていました。

ところがある日、テオという別の同僚が突然怒り出しました。
「おいっマノロ!今後2度と彼をそんな差別的に呼ぶのはやめろ!ちゃんと彼の名前を呼べ!!」と発狂したのです。

テオ曰く「マノロはスペインでは被差別人種のジプシー出身なんだ。アイツ、自分が差別されてるからってお前をあぁいう風に差別してるんだ。気にするなよ!」

「いやいや、ブルース・リーめっちゃ格好いいんだけど・・・」と見当違いなことを感じたのを覚えています。

これは、なかなか複雑な話です。もはや、マノロは本当に私を差別しているのか、はたまたテオがマノロを差別してるのか、私の味方という体で、私もろとも深層心理で差別されてるのか、、本当に差別意識を持っているのが誰なのか、、、関係が複雑過ぎます。

そして仲の良いスペイン人達から『ラテン系日本人』と呼ばれていた楽天的なワタクシは、「気にすんなよ!ブルース・リーはアジアで1番格好良い男で、誉め言葉でしかない。 お前たち、外国に行ってジェームス・ディーンって呼ばれたら嬉しくないか? マノロ、お前はデブだから全然ジェームス・ディーンじゃないけど。。。」と言いました。
重い空気の中、マノロとテオの何とも言えない困惑の表情が脳裏に焼き付いています。。。
正直、私はその場を重い空気にしたくなかったので上記のように茶化してお茶を濁しましたが、テオが言いたかったのは、黒人だからマイケルジャクソンと呼ぶ。白人だからデカプリオと呼ぶ。というのは、その対象が格好いいか否かに関わらず、本人のアイデンティティを無視して総称イメージで呼ぶこと自体が侮辱的、差別的だと言いたかったのでしょう。真面目で優しい奴です。

差別とは、言われている本人がそう感じることなのか、本人が感じていなくても差別は存在するのか。。。常に社会に存在する問題として、本当に難しいと改めて感じています。

それにしてもブルー・スリーはいつ見ても格好いいですね!笑

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